RFC2321 和訳 2007年 すーじー版

Network Working Group                                         A. Bressen
Request for Comments: 2321                      Cohesive Network Systems
Category: Informational                                     1 April 1998

RFC2321 信頼性のあるネットワーク間問題解決エージェント

この文書の位置付け

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Copyright Notice

Copyright (C) The Internet Society (1998). All Rights Reserved.

要旨

こんにちの複雑で非決定論的なネットワークや環境に適用される際の非決定論的な問題解決や診断方法論の使用方法の説明

1. 序

近年、IETFの労力はネットワークの管理や診断・トラブル解消と言ったことにますます費やされている。その成果としてSNMPやcflowd、RMONなどが完成し、Universal Logging ProtocolやDistributed Managementなどのプロジェクトが本稿執筆最中も進行中である。これらのツールは決定論的な状況、つまりネットワークやそれに関係のあるオブジェクトの構成が分かっているか比較的簡単に特定できるような状況では非常に良く動作する。けれどもこれらのツールは、こんにち我々が面している、複雑なネットワーク間接続を原因とする以下のような問題への解決にはそれほど役立たない:

  • インターネットへ繋がるルートブリッジが最適に配置されていないネットワーク。例えば、毎朝デスクに来ると靴を脱ぎ捨てる秘書の机の下にルータがある場合。
  • ハブが、ある映像を表示するときに妨害波を放出するモニタ(TV)の隣に置かれたネットワーク*1
  • ISPと、その幾つかの顧客がローカルネットワークとして10.0.0.0*2を用いており、しかもRIPブロードキャストを互いに隠さないネットワーク*3
  • ベンダーがうっかり全く同じMACアドレスを持った機器をユーザに出荷してしまったり、ユーザみんながMACアドレスを変更するツールを持っているようなネットワーク

この文書で我々は、ネットワークに関するハード的ソフト的な問題を診断・解決するためのハードウェアを紹介する。このハードは上記に挙げたような非決定論的な問題を解決するときに最大の威力を発揮する。このハードはOSI参照モデルの全ての層に適用できるだけの広い適用範囲を持っている;物理層ネットワーク層トランスポート層やアプリケーション層に加え、さらに政治層・宗教層の問題を上手に解決するのにも使われている。RITA(the Reliable Internet Troubleshooting Agent)は 最初、The Leftbank Operation(現在はNew England DivisionのCohesive Network Systemsとして知られる)にてArchie McPhee(参考文献[1])により提供されたハードウェアプラットフォームを元にして開発された。典型的なRITAユニットを Figure 1 に描く。

         comb      neck             body                    feet
          |         |                |                       |
          v         v                V                       V
           ,^/'/,           ,______________________.         ,
         i'  '  /          /                       =========<-
        / <o>   `---------/                        \         `
      .;__.  ,__,--------.                         /         ,
         / ,/ vv          \                        =========<-
        '-'                `-----------------------'         `
         ^     ^                                     ^
         |     |                                     |
        beak  wattles                               legs

                                 Figure 1.

2. Specification

典型的なRITAは51.25cm長でだいだい色をしている。構成物質は天然でも人工でも構わない。RITAはとても柔軟な性質を持っているので、非常に広いパラメータにおいて相互運用することができる。他のRFC候補とは違い、RITAはIANAの名前空間の管理を必要としていない。バージョン間で互換性が無くなることは心配していないので、バージョン番号はない。相互運用性のテストはIETFの会合にて行われることになるかも知れない。

3. 診断的な利用

RITAは二つの診断方法で使用されるだろう。二つの方法のうち、下記3.1で紹介した方だけは方法論として公開できるだけの改良が成されていると思う。


3.1 ひとつ目の方法は、テスト対象のエンティティの品質を広い範囲*4で評価することができる。これはBS*5評価テストとして知られる。この手法は決定論的・非決定論的のどちらの問題の解決にも素晴らしく効果を発揮する。テストは、疑わしいハードウェアのてっぺんにRITAを載せることで実行される。ソフトウェアであれば、そのソフトのパッケージコピーの上か、ソースコードのハードコピーの上に載せる。

もしRITAが起き上がって飛んでいかなければ、評価対象は設定に失敗しているか、完膚無きまでにぶっ壊れている*6か、仕様で壊れている*7かのいずれかである。このメソッドを用いるとあらゆる機器及びソフトウェアは最適でないとの結果が出るが、Sturgeon's Law(参考文献[5])はこの結果が少なくとも90%は正確であることを示しており、最大10%の誤診*8なら許容範囲内であると感じられる。


3.2 二つ目の方法は、古典的な予言の儀式の手法*9(参考文献[3])を伴う。この方法は、こんにちまでRITA以外のハードを用いて行われ、より大きい実績を挙げてきている。RITAユニット中の内臓ハードウェアの不在がその原因である可能性があり、将来の改良設計では人工内臓の追加によりこの問題を解決するかも知れない。

廃案となった別のアプローチはcleromanticな法則(参考文献[3])*10に関係があり、それは「鳥を裏返す」*11行為として知られている。

4. 調整的な使用

RITAの調整的な使用はネットワークにおける最も難しいレベルの問題、つまり突然発生して非決定論的な動作をするような問題の解決に、もっとも良く適している。
RITAユニットは、以下の問題の本来の是正装置の機能を、少なくとも普段の100%の効率を持つまでにアップさせる*12:再起動、ハードやコネクタの再配置、configuration files内のタブのスペースへの変換およびその逆、サードパーティベンダへの非難、そして弾道ミサイル類の道具によりシステムやソフトウェアを大量に置き換えること、など。

特定の問題への方法論:
  • 物理層:RITAで問題のある部位を扇ぐ
  • アプリケーション層:製品のベンダの営業さん(または、入手が可能であればプログラマ)をRITAでぶっ叩く。可能な限り頭のてっぺんを、"Read The Fine RFC's comma darn it!"*13 と叫びながら。
  • 政治層:破壊的な主張や邪魔な方針を支持する人をRITAでぶっ叩く。可能な限り頭のてっぺんを。極端な場合は、RITAを体の穴に挿入する必要が出てくるかも知れない。WARNING: RITAを外さない場合、さらなる問題を引き起こすかも知れない。*14
  • 宗教層:破壊的な主張や邪魔な宗教を支持する人、それからベンダの営業さんをRITAでぶっ叩く。可能な限り頭のてっぺんを。極端な場合はRITAは聖句箱*15や骨壺、bus-and-tagケーブルのフタとして使われることになる。

5. これからの課題

RITA MIBが現在開発中である。これによりRITAは新しいインターフェースやハードウェアが加わる可能性がある。RITA MIBのプロトタイプを Figure 2 に示す。

         comb      neck             body                    feet
          |         |                |                       |
          v         v                V                       V
           ,^/'/,           ,______________________.         ,
         i'  '  /          /                       =========<-
        / <o>   `---------/                        \_____________m
      .;__.  ,__,--------.                         /         ,
         / ,/ vv          \                        =========<-
        '-'                `-----------------------'         `
         ^     ^                                     ^          ^
         |     |                                     |          |
        beak  wattles                               legs       ethernet

                                 Figure 2.

こんにちのところ、RFC 1149*16のRITAによる実装に関する研究は行われていない。


ちなみに、このツールは非ネットワーク問題に対して使われ、なんどか成功を収めている。代表的な例はSCSIバスの不具合のデバッギングが挙げられる。

6. セキュリティ問題

RITAがセキュリティシステム施設に重大な問題を与えるのは、それが鉛弾で満たされているときだけである。とは言ってもその場合、システム管理者の個人的なセキュリティは増大する;RITAで武装した自信満々なシステム管理者を打倒せんとするような輩はほとんど居やしないだろう。

7. Citations and References


[1] Postel, J., and J. Reynolds, "Instructions to RFC Authors", RFC
2223, October 1997.


[2] McPhee, A., http://www.mcphee.com


[3] http://www.clix.net/5thworld/no-osphere/3e/manteia.html


[4] Waitzman, D., "Transmission of IP Datagrams on Avian Carriers"
RFC 1149, April 1990.


[5] Raymond, E. (editor), "The New Hacker's Dictionary" 2nd ed., MIT
Press, September 1993. ISBN 0-262-18154-1

8. 謝辞

RITAの初期の開発、編集、そして素晴らしい革ジャケットは Bob Antia から提供された。最初の読者は John "cgull" Hood 、そしてイラストは Elizabeth Goodman および Gerry Goodnough により提供された道具を使って描かれた。

9. Author's Address


Andrew K. Bressen
72 Endicott Street
Somerville, MA


Phone: 617-776-2373
EMail: bressen@leftbank.com, bressen@cohesive.com, bressen@mirror.to

10. Full Copyright Statement


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*1:この文の訳は:http://www8.ocn.ne.jp/~yama-b/rfc2321j.txtよりそのままいただきました。これより良い訳が思い浮かばなかった

*2:クラスAのプライベートアドレス

*3:すなわちブロードキャストするとISP上のすべての10.0.0.0/8なアドレスに送られるようなネットワーク

*4:broad-spectrum

*5:broad-spectrum

*6:原文ではFubar; http://en.wikipedia.org/wiki/FUBAR 参照

*7:原文 : "broken as designed"

*8:false positive result

*9:腸卜;ハラワタで占う

*10:意味不明

*11:flipping the bird

*12:100%より多いとは誰も言っていない

*13:訳し方が分からない

*14:参考 Excite翻訳

*15:原文ではphlactoryだが、phylacteryの誤りと見なして訳している

*16:伝書鳩による通信のプロトコル、和訳は http://www.imasy.or.jp/~yotti/rfc1149ej.txt など参照のこと。「鳥類キャリアは,高い遅延性,低い処理量,及び低い飛行を提供することができる」だそうです

上記和訳の感想・講評

おおもとの文章:http://www.rfc-editor.org/rfc/rfc2321.txt
参考日本語訳 :http://www8.ocn.ne.jp/~yama-b/rfc2321j.txt
excite翻訳  :http://www.excite.co.jp/world/english/
goo辞書    :http://dictionary.goo.ne.jp/

上記は参考にしたページのリストです。本当にありがとうございました。

・どうみても鶏です本当にあry
・内容を読むに、どうやらこれはゴムで出来た鶏を想定してるのかなーと思う。
・そう考えると、flipping the bird は、なんかぺらぺらした鶏をひっくり返すイメージではないかと思う。
・RITAって名前は鶏と何かしらかけているのかなと思っていたけど、どうもちょうどいい単語が見つからず、むしろriteとかけている可能性が浮上。RITAがrite(儀式)をかけているとしたら、この記事の胡散臭さも上がって実にいい感じだ。
・鶏を持って何かを叫びながら人の頭をぶっ叩く様子は、想像してみるに実にアメリカ人らしいと思ってしまう。MTVとかCartoon Networkとかでやっていそうだ。実際、これは元ネタがあるわけではないのだろうか。鶏で頭をぶっ叩く宣伝とかが当時あったのでは…。
・または文章中にあるように、SCSIの制作秘話として広く知られているんだろうか。
イーサネット…どこに挿してるんですか。ウホッいいRITA
・今のところ、文章間のつながりがきれいじゃないため読みにくい。もっと意訳しまくった方が読みやすくなると思う。


・修正してくださる方絶賛募集中です。あははーっ。