マクドナルドと無線LAN

自宅近くのマクドナルドの一席でパソコンを広げ、ネットサーフィンをしていると、ものの五分とたたないうちに店員がやってきた。「お客様、ご注文をお伺いします」
「飲食の希望はありません。Yahoo!の無線LANスポットを利用してパソコンだけをしたいのですが?」「ここは休憩所ではありませんので、飲食以外の利用はご遠慮ください」そこで私は早々にパソコンを片付けて、マクドナルドを退出せざるをえなかった。

ブログを巡回している際にリンク先のリンク先でたまたま発見した記事。
筆者はマルチポストで問題児扱いされている人だそうだ。


記事の内容はこうだ。筆者はYahoo!BB無線LANアクセスポイントに契約しているが、利用しようと思うと多くの場合マクドナルドに入らざるを得ない。そこで筆者は無線LANを利用しようと思い、何も注文せずマクドナルドに入店し席を占領してネットを利用した。するとすかさず店員が現れて注文を聞いてきたので「いらないよ」と答えたところ追い出された、と。


この記事を紹介したブログ「痛いニュース」では、昨日の今日というのにものすごい数のコメントが付いていた。
そしてそのほとんどは「何も注文しないなんて常識外れだ」というものだった。「100円くらい払えよ」とか。これには驚いた。
まあ確かにマックで注文しないという行動は印象的だろうけど、論点はそこじゃないぞ。

マクドナルドが無線LANスポットの利用をハンバーガーなどの飲食の付加サービスとしてはっきりと位置づけているのなら、問題はYahoo!のほうのサービス加入勧誘のしかたにあろう。

上のように述べている点からも、一連の行動が確信犯だと言うことは読み取れる。
マクドナルドに追い出されて怒っている人だったら、こんな冷静に文句の矛先を変えることは出来ない。
平たく言えば、この人はじめっからYahoo!BBが変だって思ってたから文句を言うためにわざわざマックを追い出されてきたってこと。


論点は何か。
それは、Yahoo!BBのブロードバンドサービスが誇大広告になっているのかどうかという点。それだけ。
マックなんてはじめから関係ない。


まあ「常識」で考えれば分かるよね、月500円でネットし放題なんて安すぎだもの。
なんでそれでやっていけるの、っていうと、そのアクセスポイントを置いた場所がアクセスポイントを置いたことで増える利用による利益について、一部をYahooに還元するからだろう。
マクドナルドからしてみれば、商品を買った客に対するホスピタリティの一環としてアクセスポイントを公開しているわけで。商品を買わずに席を取る人というのは、Yahoo!BBの契約者だろうがそんなことは関係無しにそもそも「客」じゃない。


しかしYahoo!BBは、アクセスポイントのサービスが他のサービスを利用しているあいだにしか利用できないと言うことを表だって宣伝しない。
条項を見ると確かに11条に「サービスは敷地内のみ」とか書かれているけど、果たしてそのことをじゅうぶんみんなが認識しているだろうか。「痛いニュース」のコメントを見る限りでは、とてもそう思えない。
コメントでは「マックのガラスの外にイスを持ってきてアクセスポイントを利用すればいいじゃん」などといった発言が少なからずあった。そしてそれを違反だと知り突っ込みを入れた人はほとんどいなかった。
羊頭狗肉、ってこと。
アクセスポイントの利用は他のサービスを利用した人に与えられる権利だと言うことを、じゅうぶんに伝えようとしていないYahooに問題がある、と、今回の記事はただそれだけの主張なのでした。